モジモノノ

Twitterの過去つぶやきや300字ssなど文字モノのまとめ

#twnovelまとめ 2014年12月

【2014年12月25日のつぶやき】

「やれ今年も大量だ」赤々と燃える暖炉のそばで大きな袋に手をかける。この瞬間はいつも心が躍る。 #twnovel 手足を縛られ猿轡、わけもわからず震える子供達にやさしい声が降る。「怖がらなくていいよ」。涙でうるむ瞳に映ったのは三日月の笑顔。子供の血潮は温かい。暖炉よりも火酒よりも。

  

「やれ今年も大量だ」暖炉のそばで大きな袋に手をかける。テスト用紙にちぎれた腕輪、壊れた玩具にぬいぐるみ。 #twnovel 欲しい品を吐き出し、いらない物を吸い込むサンタの袋。まだ重い袋をのぞきこめば、つぶらな瞳と目があった。「……」いやいや、さすがに弟はだめだろう、お姉ちゃん。

 

坊ちゃん災難でしたね。袋に入れられて怖かったでしょう。旦那のソリの準備ができたら出発しますから、アタシの背中でちょっと待っててくださいね。大丈夫、しっかりお家に届けますから。 #twnovel 坊ちゃん、できれば鼻をわし掴みするのはやめ…赤くてもピエロみたいには取れませんって!


【その他もろもろ】

ゴツ。深夜テレビを眺めてたら玄関から妙な音。見れば薄暗い土間に木製の…鮭? 靴箱上の木彫りの熊もどういうわけか後ろむき。棚の上に鮭を置いて部屋に戻る。ハグッ。しばらくして聞こえた音に苦笑い。 #twnovel まあ、ずっと咥えてたら顎も疲れるわな。そう思いながらスルメをひと噛み。

 

「もうし」雪下ろしの合間、屋根に座って一服してると雪女が声をかけてきた。「凍死」の文字が頭をよぎる中、なにかと問えば頬を染めてこちらの手元を指差した。 #twnovel 一度のんでみたかったのだと微笑んで彼女は山へ帰っていく。砂糖多めのカフェオレ。返された魔法瓶の蓋は凍っていた。

 

あの子ばっかりズルい羨ましいワタシだって頑張ってる認めてよもっと褒めてよ無視しないで…皆みんな嫌い大嫌いしんじゃえ #twnovel 箱からあふれそうな諸々をぎゅっと押さえて封をする。吐き出しかけて飲み込んだ言葉は年々増えるばかり。ため息ばかりが降り積もる、年末こころの大掃除。

 

赤々と燃える一斗缶のなかに紙の束を投げ入れる。躊躇ったのは最初だけ。ひと束燃やせばあとは作業だ。焦げて縮れる紙のうえ、描いた少女の微笑みがくしゃりとゆがむ。 #twnovel これでいいんだ。未練がましく描き続けるよりずっと。ぜんぶ灰になるころには、この涙も止まるだろう。

 

「困った時にお開け」死んだばーさんの口癖を思い出しながら古い柱時計に手をかける。金の無心に戻った実家で盗人まがいのあら捜し。振り子の奥から出てきた封筒はみょうに重くて。 #twnovel ぢゃり。金無垢の懐中時計が鈍く光る。大切にしてたじーさんの形見…こんなの、売れるわけない。

 

「…またか」写真集から落ちたのは3000円未使用のクオカード。一昨年は図書券、去年は商品券だった。大掃除のたびに見つけるへそくりは年々金額が増えている。 #twnovel 問題は自分で貯めた記憶が一切ないこと。3年前からのひとり暮らし。見つけたへそくりを使う度胸は今のところない。